財産が多いほど相続税は高くなる!?「累進課税方式」とは
所得や収入が多い人からより多くの税金を徴収する仕組みを累進課税方式と言い、相続税の算出もこれに該当します。
ここでは、多く財産を受け継ぐほど相続税も大きくなる累進課税の仕組みと節税対策についてご説明します。
累進課税方式は収入・財産の評価額が大きいほど税金が高くなる仕組み
所得税や相続税、贈与税は、得た額が大きいほど税率が高くなり、より多くの税金を納めなければならないことになっています。この方式を超過累進課税方式と言い、現在の日本で採用されている課税方法です。
相続税に関しても同様で、国税庁によると、法定相続した額が1000万円以下の場合は10%が課税され、1000~3000万円の場合は15%課税されますが50万円の控除を受けることができます。以降、金額が大きくなるほど税率は20、30、40%と上がっていき、控除額も増えるものの、トータルの相続税額はより大きくなる仕組みになっています。
なお、相続税額は財産を受け継いだ人ごとに計算しその合算を納税しますので、遺産が大きいほど相応の相続税が課税されることになるのです。
不動産保有者が特に注意したい所有地の評価額と当事務所の対応
不動産を持っている人などは、条件により評価額が高くなるため累進課税額も増加します。このため多くの人が、不動産評価において減額処理を行い節税しようと考えています。
この場合、当事務所における対応としては、必ず現地確認を行って土地のマイナス要素を徹底的に洗い出すようにしています。
場所の確認だけでなく、図面等の資料の有無について確認し、不整形地に該当しないか調査します。所有地をどういう用途で使っているのかヒアリングも欠かしません。
昨今は、Google Mapを使えば遠方から土地を確認することができるようになりましたが、接道状況や道路の利用状況等はやはり現場に足を運んでみなければわかりません。
実際に現場に赴き、土地のマイナス要因を探せるかどうかにより、評価は大きく変わってきます。
また、当事務所が連携する不動産鑑定士の力を借り、役所に行ってもわからないような要素まで徹底して調査することもありますが、税務調査が入るグレーゾーンの可能性も踏まえ、不動産鑑定士と相談しながら正確に不動産の評価を実施しています。
依頼者には、税務調査が入らない安全圏での評価を進めるか、調査覚悟でギリギリの減額申告をするかを決めてもらっています。
依頼者の傾向としては、調査覚悟でギリギリの減額申告を望んでいる方が多いですが、そのような場合は特例やマイナス要素を積極的に盛り込みながら評価を進めています。
不動産の活用次第では大きな節税に
都心部で賃貸マンション経営をしている人は節税できる可能性が高いと言えます。
金融機関から資金を借り入れて購入したマンションを貸しているようなケースでは、税金をかなり下げられる可能性があります。
借入金は債務控除を受けることができ、建物の評価はそのまま固定資産税評価額で計算されますが、都心部や繁華街だと実勢価格と固定資産税評価額で大きな差が生じます。
従って、マンションやビルの購入に1〜2億かかったとしても、固定資産税評価額では3000〜4000万円で評価され、こうした差を利用して節税対策を立てることが可能なのです。
早い段階で税理士とコンビを組むことが節税対策のカギとなる
以上のことから、相続税の生前対策は絶対に必要だと断言することができます。
不動産だけではなくいかに金融資産を保持するかも大事で、いざ相続税の納税のタイミングが来た時に遺族が慌てず対処できることをイメージしなければなりません。
10カ月という限られた申告準備期間の中で滞りなく相続税申告と納税を完了することができるように、元気なうちから税理士とよく相談し、相続税がどのぐらいかかるか大まかにシミュレーションしながら、資産の何割かを金融資産に換え納税の準備を進めておくことが大切です。
10年あれば相続税は十分に軽くできますが、いつ相続が発生するかは誰にも予想がつかないことです。
ですから元気なうちに当事務所に相談にお越し頂き、信頼関係を構築しながら財産についてお互いによく理解を深め、相続税対策を進めることが本当に大事なのです。
生命保険に加入している場合は、死亡保険金の非課税扱いを受けられる可能性も出てくるので、資産圧縮にも活用できます。
必要に応じて当事務所で連携するファイナンシャルプランナーにも依頼できるので、万が一の時でも大切な家族が混乱しないよう、万全な状態を共に作っていくことを強くお勧めします。
まずはお気軽にご相談ください。